不妊治療

    

妊娠を望んでいるがなかなか授からないとお悩みの方、
また、次のようなお悩みをお持ちの方はぜひ一度ご相談ください。

  • 病院での不妊治療(タイミング療法・人工授精・体外受精)と平行して、体を整えたい
  • 病院で不妊検査を受けたが「原因不明」「年齢のせい」と言われた
  • 卵子がなかなか採れない、あるいは空胞や変性卵が多い
  • 不妊要因は男性側にあるが、自分もできるだけ体を整えたい
  • ストレスから来る体調不良や、薬の副作用などで悩んでいる
  • 着床はしても、自然流産になってしまう
  • 二人目がなかなか授からない
  • 無月経、生理不順、生理痛、PMSなどを抱えている
  • 今はちょっとお休み中、今後に備えて体を休ませたい
  •     
治療前に問診の他、カウンセリングを行います。
おひとりおひとりの症状・お悩みに合わせた治療をご提案いたします。     

    

【コース・治療費はこちら】
※初めての方は、初診費1,000円を別途頂戴いたします。     



治療について
    

当院での不妊治療は以下のような点を基本として、
妊娠を目指す方のためのカラダづくり、体質改善治療を行っています。     


1.骨盤内臓器の血流をよくする
    
血液はすべての臓器に酸素や栄養・免疫物質・ホルモンを供給し、要らなくなった二酸化炭素や老廃物を運び去ってくれています。つまり、子宮も卵巣も血液が運んでくる滋養によって働いているのです。

そのため血流が悪くなると酸素もホルモンも十分に届かず、卵巣や子宮の機能がうまく働きません。さらに不要物の排出もうまくいかないので、お血(おけつ:古い淀んだ血)が溜まり、生殖機能をさまたげるという悪循環が起きてしまいます。

はり、灸、マッサージによる刺激は、全身の血流を上げ、卵巣への血液供給も増加させます。卵胞の発育が良くなり、排卵誘発剤を使用している場合であれば特にその効果がよりよく出ます。卵巣の働きを高め、結果として卵子の質も上がるのです

また、子宮へも十分に血液が巡ることで、子宮内膜が厚くなり、栄養たっぷりで温かくてふわふわな子宮内環境を準備することができます。着床に有利なのは言うまでもありません。
    
    
2.ホルモンバランスを整える     
    
ホルモンの分泌をコントロールしているのは、実は脳、そして自律神経です。

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の二つが連動し、バランスを取ってはたらいています。
脳や身体をよく動かしている時は「交感神経」が優位な状態。心拍や呼吸は速く、その分内臓の動きは低下しています。反対に「副交感神経」が優位であればリラックスした休息モード。その間、内臓は活発に動き、栄養吸収や体の修復・回復にはたらくのです。

しかし、不規則な生活や睡眠不足、ストレスなどでそのバランスが崩れてしまうことは多々あります。現代の生活では「交感神経優位」、つまり常に緊張していて、リラックスすべきところでできていないパターンが殆どです。

そして女性の場合、その乱れは「ホルモンバランスの乱れ」の症状として現れてしまいます。

基礎体温をつけてみると二層に分かれない、あるいはギザギザしていて安定しない、そんな方はホルモンが正しい時期に正しく分泌されていません。自律神経はコントロール機能を失った状態といえるでしょう。
この状態では、卵子がうまく育たなかったり、生理があっても排卵していない場合も多くみられます。

鍼灸治療を受けたあとはカラダがポカポカとあたたまり、けだるい気分になったりします。これは治療により体の緊張が抜け、副交感神経優位の状態になるからです。内臓も動き出し、治療中にお腹がグーグー鳴り出すこともよくあります。

忘れていたリラックス状態を取り戻し、きちんと自分自身でバランスを取れる体に整えていくことも、大切な治療目的のひとつです。
    
    
3.不定愁訴の改善:出産までのカラダ作り     
    
不妊治療はただでさえとてもストレスがかかります。

出口が見えず、いつまでがんばればいいのか期限がわからないまま続ける治療は精神的に大きな負担です。お仕事との両立や経済的・体力的な負担、年齢への不安、ご家族の中での治療の位置づけ、諸々の事情も重なりがちです。

しかしそこで生じるストレスや疲労からくる症状を改善していくことも、妊娠しやすいカラダ作りにとても重要になります。

例えば、ストレスは自律神経を緊張させ、毛細血管を収縮させます。手足は冷え、内臓も冷え、骨盤内の血流量をも下げてしまいます。
肩こりや腰痛、頭痛、生理痛も同様です。特に痛みは体にとって大きなストレスとなります。

疲労が蓄積して体力が落ちてしまう、よく眠れず疲労が取れない、食欲も今ひとつ… そんな時もあるかもしれません。
しかしこれからおなかの中で赤ちゃんを育て上げることを考えると、ストレスで荒れた胃で2人分を養うのはあまりに大変です。やはり消化管もしっかりと役割を果たせる万端なカラダを準備しておきたいのです。
かさい鍼灸治療院  


不妊治療は着床がゴールではありません
赤ちゃんをちゃんとおなかの中で育み、無事に生まれてくるところまでを見据えたカラダ作りを目指します。     


    
治療の期間
    

「どのくらい通えばいいでしょうか?」というご質問をよくいただきます。     

    

これは年齢や不妊要因、行っている不妊治療の程度などで大きな差が出ます。
一概にこのくらい…とは言えませんが、これまでの経験からしますと、定期的に不妊治療を受療されている場合、平均して半年くらいで結果が出る方が多いようです。     

    

鍼灸治療では、体質を改善して妊娠に備えます。
たとえば卵子の質という部分では、今月排卵される卵子はその数周期前からじっくり育ってきた卵子です。そのため治療による体質改善効果が卵子の質に反映されるにはその分、少し先になります。

もちろん、治療を受け始めた周期に成功する方もいらっしゃれば、1年以上地道に治療されて結果につなげた方もあります。
20代でも卵巣機能低下などで時間のかかる方もあれば、40代でさらっと妊娠される方もありますので、だいたいの目安…といった受け止め方をしていただけるとよいでしょう。     



治療のペース
    

治療は生理周期に合わせて行います。
月経前後、低温期、排卵日前後、高温期という周期の流れの中で、週1回をベースに受療されるとよろしいかと思います。

また、体外受精に進まれている方は「採卵日」前、および「移植日」前後の治療をお勧めしています。よい状態の採卵、そして着床率のアップにつながる大切なスポット治療を行います。     

    

お仕事やご都合もありますので、無理のないように普段の定期治療から採卵日・移植日までを見越した受療スケジュールを組んでいきます。
どうぞ遠慮なくご相談ください。     



陽性判定が出たら
    

通常、早ければ妊娠4週ほどで検査陽性が判明します。
その時点ではまだ自然流産の可能性もありますので、もう少し継続して治療に通っていただき、エコーによる「心拍確認」をもって当院での不妊治療はご卒業となります。(但し、流産経験のある方は安定期に入るまでを目安としています)

かさい鍼灸治療院
    

    

その後は「マタニティ治療」のコースで治療を承ります。     






鍼灸による不妊治療への有効性 (新聞・雑誌記事抜粋)
■『体外受精の前後にハリ治療をすると、妊娠率が大幅に向上する』
米国生殖医療学会報告(2002年4月40日読売新聞より抜粋)

米生殖医療学会誌 に掲載された報告によると、同チームは、体外受精(IVF)を受ける女性160人を2つのグループに分け、一方に体外受精の際、受精卵を子宮に戻す前後に鍼治療を実施。もう一方のグループには、鍼治療をせず通常の体外受精を行った結果、鍼治療グループの妊娠率が42.5%に上がり、通常治療の26.3%を大幅に上回った。体外受精の妊娠率は、高くても3割程度とされていた。


■『体外受精を5回以上行っても妊娠できなかった不妊症の女性114人に鍼治療を行ったところ、約4割にあたる49人が妊娠に至った』
日本生殖医学会の報告(2006年11月10日 読売新聞より抜粋)

名古屋市の明生鍼灸(しんきゅう)院と明治鍼灸大の研究グループが10日、大阪市内で開かれている日本生殖医学会で報告した。49人のうち4人は自然妊娠だったほか、30人は治療後1回目の体外受精で妊娠に成功したという。報告された114人の治療実績は、1998年2月~2006年6月に、同鍼灸院を訪ねた不妊患者のうち体外受精を5回以上行っても妊娠しなかった女性のもので、治療は週1~2回のペースで行われ、腹部や足などにある婦人科疾患に効果があるとされるツボを鍼で刺激した。


■『体外受精(IVF)を受ける女性が同時に鍼(はり)治療を受けると、妊娠の確率が65%高くなる』
英国医師会(予備研究)(2008年2月7日 英国医師会誌「British Medical Journal(BMJ)」オンライン版より)

全カップルの約10~15%が不妊に悩んでいるといい、体外で受精させた卵を子宮に移植するIVFを選ぶカップルも少なくない。鍼治療がIVFの成功率を高めるという証拠は、これまでにもいくつか示されていた。今回の研究は、米メリーランド大学医学部のEric Manheimer氏らが、IVFを受けた女性1,366人を対象とする7試験について検討したもの。いずれの試験も胚移植から1日以内に鍼治療を受けた女性と、疑似鍼治療(sham acupuncture)を受けた女性、または鍼治療を受けなかった女性とを比較していた。
その結果、鍼治療を受けた女性は、そのほかの女性に比べて妊娠する確率が65%高かった。しかし、妊娠率がもともと高かった試験では鍼治療による効果は少なく、有意差はみられなかったという。「IVFの補助療法として鍼治療が有用と思われるが、裏付けにはさらに研究を重ねる必要がある」とManheimer氏は述べている。
米国鍼医学会(AAMA)元会長のMarshall H. Sager博士は、「今回の結果は驚くには当たらず、鍼治療の利用でIVFの成功率を上げてきた自分自身の経験がこの研究によって裏付けられた。IVFを受ける女性は、鍼治療により成功率を上げることができる」と述べている。


■『治療を続けても子宝に恵まれない不妊症の女性に対する鍼灸治療が、妊娠率を飛躍的に向上させる効果がある』
名古屋市明生鍼灸院と愛知県豊田市竹内病院トヨタ不妊センターの共同研究(2001年12月28日号 中日新聞より)

治療を続けても子宝に恵まれない不妊症の女性に対す鍼灸治療が、妊娠率を飛躍的に向上させる効果のあることが名古屋市瑞穂区、明生鍼灸院と愛知県豊田市、竹内病院トヨタ不妊センターの共同研究で分かった。不妊症への鍼灸効果を、まとまった症例数による科学的データで検証した研究は初めて。
研究は、結婚後五年、不妊専門機関で二年治療しても妊娠しない不妊症患者で、体外受精など高度な生殖医療を三回以上受けても妊娠できず、子宮の内膜が薄いことが原因と推定される五十七人(平均年齢三十四・七歳)が対象。
患者たちに鍼灸治療を半年以上続けたところ、三十一人の内膜が厚さ六ミリ以上など妊娠への一定基準に改善。うち十四人(同三十三・七歳)が、冷凍保存した自分の胚を移植して妊娠することができた。このほか不妊の原因が分からず、月経異常や頭痛、肩こりなど、健康に問題がないのに感じる体の不調(不定愁訴)がみられる患者二十四人(同三十五・二歳)への鍼灸治療でも、七人(同三十六・一歳)が妊娠した。鍼灸治療が子宮の血流を活性化させ内膜の改善に至った可能性があるほか、妊娠より先に不定愁訴が治った例が八割もあった。
高度な生殖医療の妊娠率は20%-30%。これを三回受けた後は妊娠率が著しく下がるとされる。流産を二度経験し、鍼灸治療で内膜が整い結婚六年目の今冬、出産した愛知県内の女性(四十一)は「排卵誘発剤などの連続使用で体調を崩し、身も心も限界だった。ゆっくり治す東洋医学で気持ちがほぐれた」と振り返る。
竹内病院センターの越知所長は「西洋医学を建物の補修に例えるなら、東洋医学は土台の改良工事。むやみに薬を増やすのでなく、自然の治癒力を引き出す東洋医学の知恵が役立てば」と話す。

    

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(ブログ内 カテゴリー:不妊治療 より)
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